　今日が最終日。「終わりよければすべてよし」というが、今日も朝から曇天だった。
　昨日から９連休の人の場合なら、昨日、今日はお盆の帰省の第一陣になるはずだ。実際、下りのラッシュをニュースが伝えていた。また、景気対策のために政府が行ったＥＴＣ割引によって、上りでも混雑があるらしい。天気は良くないし、夏のバイク乗りにとって一番の強敵になる渋滞が予想されるとなると、どうしても弱気になってしまう。
　９時ごろ、ホテルを後にした。今日もナビは使えない。昨日降りた郡山ＩＣではなく、郡山南ＩＣを目指した。

　東北道に乗ってしばらく走ると、予想どおり雨が降り始めた。これで３日連続だ。一日中雨の日がなかったことが不幸中の幸いだった。自宅まで３００ｋｍ近くあるのに、ほとんど帰るためだけに走る消化日程になる気配だ。
　栃木県に入っても那須付近までは雨が続いたものの、宇都宮くらいまで来ると雨が上がった。東京や神奈川の降水確率は３０％程度だったから、「山間部を抜ければ大丈夫かも」と期待した。
　ちょうど１００ｋｍくらい走ったところで上河内ＳＡがみつかったので、ここで休憩することにした。ＳＡでの交通情報によれば、都内はまだそれほど混雑していないらしい。

　当初の計画では、かつて一時期暮らしたことのある埼玉県上尾市、桶川市周辺に寄るつもりだった。しかし、連日の雨ですっかり弱気になり、「ぐずぐずしていると混雑が始まるかもしれないから、もうこのまま帰ってしまおう」という気持ちが強くなっていた。
　上河内ＳＡからさらに１００ｋｍ近く走って、そろそろ休憩かと思っていたら、電光掲示板に「この先逆走車あり。走行注意」の表示が。初めての経験だった。いざというときに左右どちらでも進路が変えられるよう、意識して走行車線を走り続けた。しばらくすると、「この先通行止め」に表示が変わった。どう対処してよいか分からず、とりあえず最寄りの蓮田ＳＡに。
　ＳＡでインフォメーションに行き、状況を尋ねたところ、「オートバイが逆走しているんです」とのこと。一体全体何を考えているのだか。バイクなら路肩でＵターンだってできそうなものだ。通行止め区間が短かったので、それほど時間を要することなく解決するだろうと高をくくって、ほどなく再スタートした。

　通行止めというハプニングには見舞われたものの、幸い天気は安定し始め、関東在住歴１８年でもまだ不慣れな首都高を迷わず走るため、ナビを準備した。東北道→外環道→環八→東名が常識的な経路だが、高速を走らせたがる私のナビの性質を考えると、環八を走らず、首都高を乗り継いで首都高３号線から東名を目指すかもしれないと思った。ところが、結局外環が選ばれた。「環八、大丈夫かな？」と考えていた。
　当然のように練馬ＩＣ（大泉ＩＣ？）を目標として想定していたのに、なぜかナビは手前の和光ＩＣで高速を降りさせた。ナビを無視して走れば、経路を再検索してくれる機能はある。しかし、あえてナビ任せにしてみた。
　その後は、川越街道を少し走り（渋滞で時間はかかったが）、笹目通りから環八に入った。谷原の交差点に出たとき、「あっ、ここへ出るんだ」と気づいた。環八は、心配をよそに比較的順調だった。

　東名に乗ればもう自宅は遠くない。蓮田ＳＡから１時間走ったので、港北ＰＡで一息ついた。行動が早め早めだったのがよかったのだろうか。福島から４時間で神奈川まで帰ってきたことは、期待以上の結果だと思った。
　１４時前、今日の時間をたくさん残し、無事自宅へ到着した。ツーリングという観点だけから考えれば、４日のうち３日も雨が降ったわけだから、あまり満足とは言えない。実際、雨のために松島も蔵王もパスしたのだ。しかし、全国制覇の目標は確実に進んだし、何よりもねぶた祭りに大感激できた。さらに、秋田の竿灯祭り、日ハム・楽天戦の観戦と、オプションは豊富だった。総合的に見れば、満足度１２０％というところだろう。この上好天を望んでは、ばちが当たるかもしれない。納得の東北ツーリングになった。